Works
白景
White Scenery
こんにちは1月、山間の雪深い景色の中に廃墟のプールの四角い形が際立っていた。
プールといっても現代のそれとは異なり、その造りは頑強で、プールサイドはレンガが敷き詰められ、プールの中はタイルが貼られている。
策を乗り越えプールサイドに入っていくと膝上あたりまで雪の中に足が沈み、雪の合間からプールサイドのレンガが見える。
プール側壁には無数のタイルが貼られ、部分的に剥がれ、錆色の筋がタイルの上を縦断している。
隆起しているプールの底盤には土が堆積し雪が積もり大きくうねっている。
うねりが低い場所の雪の上には透き通った水溜りもできている。
堆積した土に生えたニセアカシアと思われる木には雪が積もり、重みでしなだれている。
雪に足を取られ、息があがりながらプールサイドの中央まで行くと、プール中央の木と正対できる。
空気は冷たく、自分の少し荒くなった呼吸音のみが聞こえる。
呼吸が整ってくると、プールの奥の山の木の枝に積もった雪が時折落ちる音が聞こえてくる。